アフリカン・ランプアイ

アフリカ原産の卵生メダカ。熱帯魚飼育の入門種として1匹100円以下の値段で売られています。
ポピュラーな魚だけあってちょっと調べればたくさんの情報が見つかりますが、中には「なんか違うんじゃ?」と首をひねらされてしまうような情報もあったりします。
まぁ水槽の環境はそれぞれですし、生き物の飼育では正解は一つとは限りません。成功例や失敗例も水槽の数だけあってしかるべきだと思うので、我が家の環境での飼育例として書き綴ってみます。

お店で売られているランプアイのほとんどがまだ小さい若魚の段階で入荷されてきます。透明感のあるシルバーの魚体に青い目を持つ地味な魚という印象を持つと思います。大きさも2~3cmくらいでしょうか。
成魚にまで育ったランプアイは魚体やヒレの端が黄色っぽく縁取られ、なんともいえない魅力を持った魚に変貌します。大きさも5cmくらいまで育つんじゃないでしょうか。メダカの仲間だけあってヒレも大きめなので時に機敏に、時に優雅に泳いでくれます。

水質の適応については様々な情報が散見されます。「アルカリ寄りの方がいい」という意見もあれば「弱酸性~中性まで幅広い」とか。
我が家ではpH5.0~6.5くらいの酸性~弱酸性で飼っていますが問題なく飼えています。中性~弱アルカリで飼ったときよりも調子が良いような気もします(繁殖も盛んになった)
一部では「飼育が難しい」「ランプアイだけ長生きしない」という声も聞かれますが、我が家ではとても丈夫な魚という印象です。

上層を泳ぐという情報もたくさん見ますが、ブルーアイラスボラのように常に上層部を泳ぐわけではなく「上層付近にいることが多め」くらいに思っていた方がいいと思います。メダカの仲間だけあって餌を求めて水面直下から低層付近まで水槽中どこでも顔を出します。

成魚と若魚を合わせて10匹以上泳いでいますがあまり群れません。2~3匹で固まることはありますが群泳することはしないです。魚が群れるのには水流や外敵などある程度の条件が必要なことが多いです(「群泳」の定義にもよりますが)。少なくともラミーノーズテトラのようにまとまって行動するような群泳はランプアイには期待できません。

餌はなんでもよく食べます。水面の餌、沈下中の餌、水底に落ちた餌、どれも守備範囲です。その積極性からハナビやブルーアイラスボラのような大人しい魚は萎縮してしまうので混泳させる際は気を配ってあげるといいです。

気性はやんちゃな面があります。荒いとまでは言えませんが、追う側と追われる側に分かれるとしたら間違いなく追う側です。稚魚のうちからこの性格は持っていてランプアイの稚魚とハナビの稚魚を一緒に泳がせるとランプアイの稚魚の中で一番大きい個体が縄張りを主張し近寄る魚全てに当たり散らします。
我が家の混泳水槽での追う側追われる側の分類は以下の通り。(順不同)

追う側

追われる側

追われても動じない・無関心

追いかけると言ってもシクリッドのように執拗に追い回したりはしませんし、アナバスのように殺すまでやりあったりはしませんのでご安心を。ポポンデッタフルカタだけは別格で乱暴でしたが。

日本のメダカと同じで卵を産んで増えるタイプで繁殖は簡単な部類です。成長していくと雄同士でフィンスプレッドをしたり雄が雌を追い回します。
が、我が家では産卵の瞬間を目撃したことがありません。いつの間にか産んでいるのですがお腹に卵をぶら下げているところや産み付けているところは見せてくれません。
水草の表面などよりはミクロソリウムの根っことかボルビティスの葉とかモスの茂みとかの方が産み付けやすいみたいです。卵は粘着卵です。産卵直後は結構な粘着力で、日が経つにつれて粘着力が弱まっていきます。卵の発見具合から見ると一度に産む卵の数はそれほど多くないんじゃないかと思います。日本のメダカのように葡萄のような卵の塊を産み付けるのはではなく、1度に産み付けるのはせいぜい1~5個くらいなんじゃないかと思っています。
産卵の姿を見ていないので想像なんですが。

雌雄の判別は簡単で雄は尻ビレと背ビレが大きく尾ビレの先端が団扇のように丸みを帯びています。背ビレと尻ビレが小さめで尾ビレの先端が直線なのが雌です。文頭の画像で大きく写っているのが雄ですね。

卵の大きさはちょっと大きめ。極小サイズのハナビの卵と並べると簡単に見分けられます。コリドラスパンダの卵と同じか少し大きいくらいでしょうか。
産卵から孵化までは10日~2週間くらいと長めです。なので過密気味の水槽だと孵化までに食べられてしまう卵も多いと思います。確実に増やしたいなら採卵して隔離してあげましょう。

孵化した稚魚はすぐに泳ぎ出します。ほとんどが水面直下を泳ぐので本水槽内で育てるなら浮き草などの隠れ場所があると捕食されにくいです。
孵化してから2~3日もすると目が青く光る様子が確認できます。湧かしたばかりのブラインシュリンプなら捕食できますが、性質としてブラインシュリンプは低層に沈んでいきます。ランプアイの稚魚は水面直下を泳ぐのでメダカの稚魚用の粉餌の方が適しているかもしれません。

我が家では積極的に増やしているわけではないのですがハナビの採卵時にランプアイの卵も見つかることがあって、見つけてしまった以上は孵化させて育てようと隔離しています。
年間で30匹くらい増えるのですが、安くて地味な魚からか貰い手が見つかりません。しっかり成魚まで育てればとても綺麗で魅力的な魚なんですが。

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