ミクロソリウムの増え方・増やし方・育て方

小さな株を完全放置でも30cmキューブを埋め尽くすまで増えました

フリマサイトに出品した際に、購入いただいた方から「どうやって育てたらいいですか?」「どうすれば増えますか?」と質問されることがあるので記事にして残しておこうと思います。

ミクロソリウムの増え方・増やし方

ミクロソリウムは根茎を横に伸ばして成長していきます。根茎のことをワサビなんて呼んだりもしますな(私だけ?)

画像の株も元々は赤い丸で囲った部分の大きさでした。この赤丸の部分に葉っぱが2~3枚生えていたんです。

それが時間を掛けて少しずつ青矢印の方向に伸びて成長していきます。根茎が伸びるだけでなく、伸びた部分にも葉が生えますので株としてボリュームが出てくるわけです。

こうして横方向に大きくなったところで根茎を切断してあげると1つの株が2つの株になります。
これがミクロソリウムの増やし方の一つ目。株分けとでもいいますか、1つの物を2つに分ける方法ですね。

一つ目ということは当然二つ目もあるわけでして。

根茎が伸びていくほどに新しい葉も増えていくのですが、なにせ成長速度が遅いものですから、そこそこ大きな株になる頃には最初に生えてた葉は古くなっていくんですね。

古くなった葉には穴が空いたり色が変わってきたりと見た目がよろしくなくなるんですが、そうした古い葉っぱの裏側に子株が付きます。ですので葉っぱが古くなって見た目が悪いからと言って安易に切り捨てていると子株も一緒に捨てていることになります。

で、画像の株は現在は黄色い丸で囲った部分にのみ葉が生えています。この部分が現役なんですね。
ではそれ以前の場所、根茎だけが残っている部分にあった葉っぱはどうなったかというと、葉の根元が腐って落ちてしまいました。

落ちてしまった葉がこちら。

根茎から切り離されてもご覧の通り青々としています。画像の葉っぱはこの状態を2年近く維持しているんです。普通に考えれば葉っぱだけになったらすぐに枯れてしまいそうですが、ミクロソリウムはそうでもないんですな。面白いよねぇ。

葉っぱの裏にはこのように子株がたくさん付いています。この子株はまだ出来て間もない小さなもので、根元の方にはだいぶ前に出来て大きく育った子株、すでに子株と呼ぶには大きくなりすぎた子株がくっついています。

子株はそのまま放っておいてもいいですし、ある程度まで育ったら親株の葉っぱから取り外して別の株として育てても構いません。(静かに引っ張るとプチッと外れます)

水流が強めの水槽や生体が泳ぎ回るような水槽では、自然に外れた子株が気付かぬうちに単独で生長していることも多々あります。

これがミクロソリウムの増え方の二つ目です。

子株の出来方は、まず小さなホクロのような黒っぽい点状の物ができて、そこから茶色く細い根っ子がヒョロッと生えてきます。根が長くなってくるとやがて葉っぱが生えてきて、放っておけばそのまま成長していきます。

葉っぱが生えてくれば子株と分かりますが、それ以前の「ホクロのような黒い点」や「黒い点に根が生え始め」の状態で見つけると、「なにこれ気持ち悪い」となるやもしれません。ですがその段階で見捨ててしまうのは勿体ないのでご注意を。

このように、根っ子のない葉っぱにも子株を付けてくれますので、古い葉っぱをトリミングして捨てるなんてことが滅多にないんです、ミクロソリウムって。
捨てるとすれば大きくなりすぎて水槽に入りきらなくなった場合とか、増えすぎて水槽が一杯になってしまった場合のみ。

ここまでの画像は全てミクロソリウム・プテロプスという品種です。最も一般的で最も大きくなる品種ですね。
ですが、他の品種でも基本は一緒です。我が家にはプテロプスの他にミクロソリウム・ウェンディロフやミクロソリウム・ナローリーフ、ミクロソリウム・トライデントを育てていますが、どれもプテロプスと比べると小型故に茎が細かったり葉っぱが小さかったりするだけで増え方は同じです。

ミクロソリウムの育て方

丈夫で頑丈な植物なので難しいことはありません。「高水温に弱い」という話をよく見かけますが、それも「そうなんだ」と気に留めておく程度で過敏に反応する必要は無いと思います。
高水温に関しては個人的な考えを後述します。

ほったらかしでも育ちます

基本はほったらかしで大丈夫です。
魚が元気に泳いでいる水槽であるという前提条件であれば

植える必要ありません。
肥料もいりません。
光量も要りません。
CO2も要りません。

いわゆる水草育成に必要とされる様々な要素ですが、ミクロソリウムの場合気を遣う必要はありません。

ミクロソリウムは活着根と呼ばれる根を生やして石などに活着します。そうして流されないように自らを固定するのですが、水槽で育てるならば活着も不要です。

画像は我が家の混泳水槽で育っているナローリーフの株です。ご覧のようにどこに固定するでも無く水中を漂っています。
この状態で1年以上、だいぶ大きくなりました。
むしろこの状態だからこそ大きく育ったと思っています。その理由は後述します。

他にもウェンディロフとトライデントが放り込んで漂わせた状態で育っています。

こちらはラミレジィ水槽(M水槽)に放り込んでいるプテロプスの株です。この水槽もこんな感じで2株ほど放り込んで漂わせています。

もちろん、石や流木などに活着させても問題なく育ってくれます。むしろレイアウト的にはそうした方が便利だし見映えもしますので、用途に応じてお好みでどうぞ。
我が家でもプテロプスの小さめの株をコリドラスの産卵場所として石に固定して置いていますので、全部が全部漂わせているわけではありません。

葉っぱだけでも子株を付けてくれますので、ボトルアクアのように水を入れた小さな瓶や容器に葉っぱを入れて適当な場所(光が当たりすぎない・水温が20℃くらい)に放っておいても子株が育ってくれます。

強めの水流が好き

特にウェンディロフでその傾向が強いのですが、強めの水流に当ててあげると大きく育ちます。
プテロプスはともかく、ウェンディロフやナローリーフなどは成長が遅いですし大きく育てるのが難しいです。そこで強めの水流を当てるとあら不思議。
とはいえ、半年・1年といった長いスパンでジックリ見守ってあげる必要があります。

上記のナローリーフも1年以上水流に当て続けたら気づかぬうちに大きくなっていました。

水流を当てるということは髭苔に見舞われやすいというデメリットもあります。

乾燥に弱い

東南アジアのジャングルの中、川が流れ滝となって落ち、当たりには水しぶきが舞い散り常にジメジメとしている。

ミクロソリウムという植物は本来そういった環境に生息しているのだそうです。
雨季となれば川の中に沈み、乾期になれば水上に取り残されるような水中・陸上どちらの環境にも適応できるんだそうです。

とはいえ、日本の梅雨など比べものにならないような高い湿度が一年中維持されているジャングルの中でのお話し。日本ではそうはいきません。葉っぱ全体が空気に触れるような状態を長時間維持してしまうとあっという間に弱ります。

水槽の掃除などでミクロソリウムを取り出すときは、水を張ったバケツの中に入れるなどして保管してあげてください。

水位を減らして水槽の蓋で密閉するなど高湿度を維持してあげれば水上での維持・管理も可能ですが、そこまでいくともうアクアリウムではなくてパルダリウムになってしまうので私は門外漢。

YouTubeに現地の様子がUPされているので貼っておきます。

高水温について

シダ病なるミクロソリウム特有の病気(症状)があって、この原因が高水温とされていますが、高水温とははたして何度以上なのかという定義がありません。

我が家では真夏になると水槽の水温は30℃を超えますが、シダ病なる病にはお目にかかったことがありませんし、シダ病を怖がって水槽用クーラーを設置しようとも思いません。

ただ、水槽に入りきらなくなった株をバケツに入れて夏場の屋外の日陰に置いておくと状態が悪くなります。推定される水温は35℃以上でしょうか。ですので高水温が苦手なのは確かなんだと思います。
30℃くらいなら問題はなく、35℃を超えるようだと厳しいかなというのが個人的な考えです。

シダ病を経験したことがないので憶測でしかありませんが、話を見聞きすると「病気になった葉っぱは早く切除する」「じゃないと拡がる」と書かれていますよね。
病気が拡がるということは伝染するのでしょうか?だとしたら菌なりウィルスなり原因となる何かが存在するはずですよね?
そう推測すると高水温は「原因となる何か」の増殖条件であって、そもそもの対策としては「原因となる何か」を持ち込まないことが一番なんじゃないでしょうか。

要は信頼できる店・人から買いましょうということですな。
我が家のミクロソリウムは完全放置で育成しているため見た目は悪いですが健康です。年に1~2回の頻度でお安く出品してますので見かけましたらよろしくお願いします。

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