我流・メダカの採卵から孵化・育成まで

2018年4月よりラクマにてメダカの卵の出品を始めました。
ご購入いただいた方向けのページを用意していますので併せてご覧下さい。
メダカの卵が届いてから

生き物の飼育は環境によってやり方や難易度が変わります。
メダカの繁殖に関しても同じで、孵った稚魚が片っ端から親魚に食べられてしまう環境もあれば、特に手を加えず放置でも増えていく環境もあります。
なのであくまでも我が家の場合のやり方です。

採卵して孵す場合
産み付けられた卵を見つけて手で取って隔離するやりかたです。

まずは卵を見つけるところから。
卵は産み付けられた場所によって見つけやすかったり見つけにくかったりします。

シュロ縄産卵床の場合だとこんな感じで見つかります。

アマフロだとこんな感じ。ピンぼけで見難いです、スイマセン。

モスに産み付けられた卵です。

シュロ縄は比較的見つけやすいですが、水草だと見つけにくいです。なのでアマフロやモスに産み付けられた卵は目ではなく手で見つけます。
水草が傷まない程度に指先でつまんでいきます。場所を変えながらつまんでいくとなにやら固いツブツブとした感触が伝わることがあります、それがメダカの卵です。
メダカの卵は非常に丈夫です。固くて弾力があって、例えるならハードグミでしょうか。

いや、数の子の方がいいのかな。数の子を食べた後に歯の隙間やベロの下からつぶつぶが見つかりますよね。粒を見つけて前歯で噛み潰そうとすると結構な弾力で弾き返してきます。
粒の大きさこそ違いますがメダカの卵もあんな感じです。ちょっとやそっとの力じゃ潰れませんしダメージすら受けません。グリグリとつまんで大丈夫。

指に採った卵は1カ所に集めます。プリンのカップなどに水道水を入れて手元に置いておくと便利です。

メダカの卵は粘着糸や付着糸と呼ばれるもので固定された状態で産み付けられています。この糸状のものを採卵後もそのままにしておくとゴミやカビがくっつく原因となりますので取ってしまいます。
粘着糸の取り方はいくつかあるのですが、道具も要らず一番手っ取り早いのは手の上で捏ねるようにグリグリとするやり方です。これは文字で説明するのが難しいのでYoutubeから見つけた適当な動画のリンクを貼りますのでご覧ください。
https://youtu.be/igs9wEOm7pg

前述しましたがメダカの卵はとても丈夫です。怖々と力を抜いて粘着糸が残ってしまう方がよほどデメリットが大きいです。なのでグリグリとやってしまいましょう。
この段階で潰れる卵があったとしたらそれは無精卵(未受精卵)です。

粘着糸を採った卵は適当な容器に入れて孵化を待ちます。我が家では採卵に使ったプリンカップを使っています。
溶存酸素という観点から水の量は少なくて大丈夫です。多すぎるよりは少なすぎる方が好ましいです。プリンカップのように水面の面積が少ない容器ならなおさらです。

採卵したメダカの卵にとって最大の敵は水カビです。前述した粘着糸が残っていたり未受精卵が混ざっていると水カビが発生しやすくなります。一度発生した水カビは健康な卵も巻き込んでどんどん増えていきます。
カビを防止するために水道水を使いますが、浄水技術が発達した日本では水道水に含まれる塩素は微々たる量です。また塩素はすぐに抜けてしまいます。なのでこまめに水替えをしてあげましょう。

また薬品を使ったカビ対策もとても有効です。よく使われているのはメチレンブルーという薬品です。比較的値段が安く専門店に行かなくてもホームセンターの熱帯魚コーナーで扱っていたりするので入手しやすいです。
メチレンブルーというのは成分名で、メチレンブルーを含んでいる薬品が様々な名前で売られています。
代表的なのは

メチレンブルー水溶液(日本動物薬品)
グリーンFリキッド(日本動物薬品)

添加量は水に色が付く程度、プリンカップなら数滴くらいで大丈夫。100均のコスメコーナーで売ってるシリンジがあると便利です。
メチレンブルーは光によって分解されますので水の色が消えたら効果も消えた証、毎日水を替えて毎日添加します。

同じく水カビに効果がある薬品としてマラカイトグリーンというものがあります。製品名だと「アグテン」とか「ヒコサン」という名前で売られています。我が家ではマラカイトグリーンを使っています(ずっと昔に買ったのがまだ余ってるので)が、マラカイトグリーンは発がん性が疑われているそうで養殖魚に対する使用が禁じられています。
なのでよほどの理由が無い限りメチレンブルーでいいと思います。

メダカの孵化までの時間は「累計250℃」という目安が有名です。

水温25度なら10日で250℃
水温20度なら12.5日で250℃
水温18度なら13.9日で250℃

というように250を水温で割れば孵化までの日数が分かります。

いまの季節だと水温が25度として、10日で孵化するわけですから、毎日採卵して採卵日ごとに別容器を用意すると最低でも10個の容器が必要になります。
このように綿密に計画的に採卵・孵化させている人もたくさんいると思いますが、産卵するメダカが2匹しかいない我が家では2週間分くらいをまとめて1つの容器に入れています。

10日分を一カ所ですから次々に孵るメダカがでてきますので、孵ったらスポイトで飼育容器に移動させています。
薬品で色が付いている水の中を孵ったばかりの稚魚が泳いでいることもありますが何の問題もありません。もちろん換えたばかりの水道水の中で産まれても大丈夫。
むしろ水替えは水温などが刺激となって孵化のキッカケとなるので水を替えた直後に一斉に孵化したりします。

産まれた稚魚は別に用意した育成容器で育てていきます。これは後述。

産卵床ごと隔離する場合
産卵床を複数用意してローテーションして使う方法です。

前述の通り水温25度の場合10日で孵化するわけですから、水温25度で毎日のように採卵すると産卵床は10個必要になります。1日置きの採卵なら5個ですね。

卵が産み付けられた産卵床を別の容器に入れてそこで孵化を待ちます。孵化を確認したら産卵床を取り出してまた親魚のいる場所に戻して産み付けさせるわけです。
産卵床が複数入る大きめの容器を準備できれば1つの容器で済ますことができます。小さめの容器を産卵床の数だけ用意して日ごとに管理する方法もあります。
どちらを選ぶかは環境次第です。

稚魚の育成

孵化~4週間くらいまでの稚魚を育てているスペースです。
容器の大きさは色々ですが水量はどれも1リットルくらいでかなり少ないです。
ダイソーのキッチンコーナーに行くと1リットルくらいの容器が4つセットだったり、2リットルくらいの容器が2つセットだったりで売ってます。安っぽいプラスチック製ですが稚魚育成には十分です。

右2つの容器に3~4週間目の稚魚が入っています。同じ親から同じ日に生まれても2~3週間も経てば大きさにばらつきが出ます。なので大きめと小さめの個体を分けるため2つの容器で育てています。
苔が生えて汚らしいですがこの苔が大事です。掃除すると恐らくメダカが全滅するんじゃないかと。

右から3つめの容器は2週間くらいの稚魚が入っています。100匹くらいいるでしょうか。これくらいの大きさの頃までは過密な方が稚魚同士が争わずに死魚もほとんど無く上手くいくような気がします。

一番左の容器は孵化から1週間以内の稚魚が入っています。

下に置いてあるプリンカップが卵を入れている容器で、この中から孵化した稚魚が一番左の容器に移されます。大きく育った稚魚は一つ右側の容器に移されていくわけです。

狭い容器のままだと成長に問題が出ると思うので、ある程度まで育てば親魚と一緒にしたり、別のビオトープでボウフラハンターとしての役目を担ってもらいます。

良さそうな個体は選別して別に育てて繁殖させようと既に容器を準備済みなのですがどうなることやら。

とりあえずこんな感じでしょうか、他に何か思いついたら書き足します。

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