前回はピートモスを使ってピート水を作りましたが、今回は粒状ピートを使って作ってピート水が作れるか検証してみました。
粒状ピートとはピート(泥炭)を丸めて固形状にして乾燥させたもので、アクアメーカーも商品化して販売しています。現在入手できるものだとエーハイムトーフペレットとセラの長い名前のヤツでしょうか。
以前は他のメーカーからも販売されていたのですが、アクアリウムの主流がネイチャーアクアリウムに移ってからは需要が減ってしまったのでしょう、相次いで廃盤となってしまいました。
水草レイアウトを主体とした水槽には透明でキラキラとした水が必要なのであって茶色い水は似合いませんものねぇ、仕方がないです。
とはいえ、シクリッドやコリドラスといった南米原産の魚やグラミーやバルブなどの東南アジアの水たまりに棲んでいる魚を飼育するうえで腐食酸を豊富に含んだ低pHの軟水は欠かせない要素です。
我が家で使っているのはアクア用の製品ではなくて他用途の業務用です。比較したことがないのでアクア用との違いは分かりませんが、アクアリウムにも問題なく使えています。
メルカリに出品していますので興味がありましたらどうぞ。
https://www.mercari.com/jp/u/800198191/
以後の文章で出てくる「粒状ピート」は我が家で使用している粒状ピートでの話であって、市販されているメーカー製の粒状ピートとは共通しない事象が含まれている可能性があります。
前置きが長くなりましたが検証結果です。
適当な容器に1リットルの水を入れます。水温は20℃くらいでしょうか。次いで粒状ピートを軽く一握り、約15グラム投入しました。
この時のpHは6.86です。
24時間経過後です。玄関に置いていたので一晩の間に水温はかなり下がっています。
pHを測ると5.92でした。
こんな感じで粒状ピートでもピート水は作れるようです。
我が家で使っているピートモスと粒状ピートの成分含有量を比べてみます。
*ピートモス
有機物含有率 40~50%
有機物の腐植酸含有率 10~20%
*粒状ピート
有機物含有率 50%以上
有機物の腐植酸含有率 70%以上
数値だけみると粒状ピートはピートモスをギュッと凝縮したような感じでしょうか。恐らくですがピートモスの方が即効性に優れていて、粒状ピートは持続性に優れていると推察します。
併行利用して検証してみればいいのでしょうが、文系の脳みそではそこまでやる気が起きません。
我が家では粒状ピートの使い方として他にも目の細かいネットに入れて水槽内や濾過槽にぶち込んだり、ソイルに混ぜて使ったりしています。
粉塵が出ますのでネットに入れる場合はストッキングのようなかなり細かい目のものをお勧めします。
過去記事でハナビやコリドラスの繁殖記事を書いているその文中で「コツとか無いです」「水質調整など特別なことはしていません」なんてことを書いていますが、実際には粒状ピートが鍵の一つだと思っています。60cm混泳水槽やアピスト水槽のpHが4.0台前半とかなり下がっている要因の一つだとも思っています。
ピートモスや粒状ピートを使えばコリドラスが繁殖するわけではありませんし、確実にpHが下がるものでもありません。
途中で投げ出した「pHを下げてみる」の連載で実証しましたように、「○○を使えばpHが下がる」というほど単純なものではありません。
濾過・硝化・脱窒・GH・KH・イオン交換などなど、水槽内で行われている目に見えない事象の理屈や仕組みが分かってくるとそれまでの苦労が嘘のようにpHは下がっていきますし、魚の繁殖に必要な水も作れるようになってくるんだと思います。
なんてことを偉そうに書いていますが私もまだまだです。
今日もブルーアイラスボラが1匹落ちているのを見つけたのですが、昨日まで元気だったのでどうにも原因が分からずにモヤモヤしています。
順調そうに見えてた水槽がある日突然崩壊、なんて経験も過去にしていますのでなんだか怖いです。
関東南部は今週末は雪の予報ですが来週半ばには春の陽気だとか。
季節の変わり目は水槽内にも変化が起きやすいのでご注意を。
2020/11/3 pHを下げる記事の決定版をUPしました
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